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【視察レポート】パリの左岸エリアでの過ごし方&おすすめスポット(フランス・パリ/2024年3月視察②)

2024年3月にパリを視察してまいりました、トラベルコンサルタントの角です。パリは、ヨーロッパ1の人気を誇るといっても過言ではない旅先。ロマンティックな街並み、アートやファッション、グルメ、カルチャーなどの世界的な中心地として、五感を満たす魅力にあふれ、何度でも訪れたくなるリピート率の高い場所でもあります。

そんなパリの街は、中央に流れるセーヌ川によって、北側の「右岸エリア」と、南側の「左岸エリア」に分かれ、それぞれの街並みの雰囲気や流れている時間も異なります。オペラ座、ルーブル美術館、凱旋門やシャンゼリゼ大通りなどの王道スポットが集まる右岸は、観光エリアとして人気ですが、今回おすすめしたいのは、左岸のエリアです。学生街の「カルチェ ラタン」や、パリ市民の憩いの場「リュクサンブール公園」、古き良き時代の趣が残るカフェなど、パリ市民に愛されているエリアです。ゆっくり街歩きをしたい、パリらしさを五感で楽しみたいという方や、パリ好き・リピーターにおすすめの、「左岸エリアでの過ごし方」をご紹介します。

パリ左岸の街並み

パリ左岸の街並み

パリの中でも、最も洗練されラグジュアリーな雰囲気を持つといわれるのが「サンジェルマン デ プレ地区」です。

17~19世紀にかけて、こちらのサン ジェルマン大通りには多くの貴族の邸宅が建てられ、1930年代には、芸術家や文化人が集まるスノッブな地域として発展しました。そして今でも、ヘミングウェイやピカソなどが通ったカフェが健在! 古き良きパリの佇まいが残る素敵なエリアです。

17~19世紀にかけて、こちらのサン ジェルマン大通りには多くの貴族の邸宅が建てられ、1930年代には、芸術家や文化人が集まるスノッブな地域として発展しました。そして今でも、ヘミングウェイやピカソなどが通ったカフェが健在! 古き良きパリの佇まいが残る素敵なエリアです。

サン ジェルマン デ プレには、19世紀から20世紀にかけて、芸術家や文学者、政治家などが集い、文化の中心地となった歴史を持つカフェが今でも残っています。中でも、サン ジェルマン デ プレ教会のそばに並ぶ「レ ドゥ マゴ(Les Deux Magots)」と「カフェ ド フロール(Café de Flore)」は、2大老舗カフェとして有名です。

どちらも、古き良き時代の雰囲気が漂う素敵なカフェなので“どちらに入ろうか?”と迷ってしまいます(笑)。日中は観光客でにぎわいますが、午前中の静かな時間帯に地元の常連さんに紛れて過ごす“カフェオレタイム”が私のお気に入りです♪

1884年創業のレ ドゥ マゴ

1884年創業のレ ドゥ マゴ

1880年創業のカフェ ド フロール

1880年創業のカフェ ド フロール

自分の割合で作れるカフェオレこそがフランス流

自分の割合で作れるカフェオレこそがフランス流

静かな午前中の利用がおすすめです

静かな午前中の利用がおすすめです

パリ左岸で最も有名な教会は、サン ジェルマン地区のシンボル的な存在の「サン ジェルマン デ プレ教会」です。

パリ最古(543年建造)の歴史を持つロマネスク様式の教会には、多くの国王や著名人が埋葬されています。また、教会内部は、2020年に6年越しの修復を終え、色鮮やかによみがえりました。

パリ最古(543年建造)の歴史を持つロマネスク様式の教会には、多くの国王や著名人が埋葬されています。また、教会内部は、2020年に6年越しの修復を終え、色鮮やかによみがえりました。

また、知る人ぞ知るパワースポット!として世界中から巡礼者が訪れるのが「奇跡のメダイユ教会(不思議のメダイの聖母の聖堂)」です。聖母マリアからお告げを受けた修道女が作ったメダルによってコレラの流行がおさまったという、19世紀に起こった奇跡に由来します。

その後も、メダルを手にした人々に奇跡が起こるというので、今でも世界中からカトリック信者が巡礼に来る教会です。もちろん、カトリック信者でなくても、教会に参拝しメダルを買うことができますが、教会内では敬虔な信者さんなどがお祈りを捧げていますので、マナーを守ってお参りしましょう。

聖母マリア(右)のお告げを受けた修道女カタリナ(左)

聖母マリア(右)のお告げを受けた修道女カタリナ(左)

奇跡のメダル

奇跡のメダル

内部では多くの人が静かに祈りを捧げています

内部では多くの人が静かに祈りを捧げています

なお、教会のある場所は、地下鉄「セーブル バビロン駅」から徒歩2~3分ほどの場所。老舗デパート、ボン マルシェのすぐ近くなのですが、一見教会とは思わないような外観のため、なかなか見つけにくい教会でもあります。訪れる際には、しっかり下調べをして行きましょう。

「カルチェ ラタン」は、パリ大学の近くに広がる学生街で、フランス最古のソルボンヌ大学(13世紀創立)とともに発展し、今に至ります。また、このあたりは、古代ローマ人によって作られた町、リュテシア(パリの前身)が起源のため、ローマ時代の闘技場跡や共同浴場跡(クリュニー中世美術館)が残っているユニークなスポットでもあります。

カルチェ ラタンは、パリの若者でにぎわうため、リーズナブルでおいしい飲食店や惣菜店、パティスリーなどが集まるグルメエリアでもあり、地下鉄「オデオン駅」周辺には評判の良いレストランやビストロが集まっています。

かわいいカフェが並ぶカルチェ ラタン(オデオン駅周辺)

かわいいカフェが並ぶカルチェ ラタン(オデオン駅周辺)

カジュアルなレストランやカフェが所狭しと並ぶビュシ通り

カジュアルなレストランやカフェが所狭しと並ぶビュシ通り

ビストロブームを起こした「ル コントワー(Le Comptoir)」

ビストロブームを起こした「ル コントワー(Le Comptoir)」

「ル プロコープ(Le Procope)」は、1686年にシチリア人、フランチェスコ プロコピオが開業した、パリ最古のカフェとして知られる名店。そして、創業者プロコピオは、フランスで初めてジェラートを売った人物でもあるのだそう。当時のカフェは“文学サロン”として、文学者や哲学者、作家、思想家たちのたまり場になっていたこともあり、フランス革命前夜には、多くの革命家がここル プロコープに集まり、革命後には若き日のナポレオンも訪れたそう。なんだかものすごい歴史の舞台にもなってきた場所なんです! 現在は、レストランとしても営業しています。

まるで貴族の館のようなル プロコープ

まるで貴族の館のようなル プロコープ

遅めのランチタイムでも大にぎわいの店内

遅めのランチタイムでも大にぎわいの店内

テキパキ働くイタリア人のギャルソン

テキパキ働くイタリア人のギャルソン

こちらでは、エスカルゴやオニオンスープ、鴨のコンフィやタルタルステーキといった、ブラッスリーの王道メニューを味わうことができます。私は、パリに来ると、タルタルステーキを食べることを楽しみのひとつにしているので、迷うことなくオーダー! タルタルステーキとは、ミンチした生の牛肉に、ピクルス、ケッパー、オニオン、ソース、タバスコなどでマリネされた肉料理で、フランスのビストロやカフェの定番メニューです。

人生で一番美味しかったタルタルステーキ♪

人生で一番美味しかったタルタルステーキ♪

クラシカルなオリジナルの食器がかわいい♪

クラシカルなオリジナルの食器がかわいい♪

パリには多くの公園がありますが、中でも最大の広さ(22ha)を持つのが、左岸に位置するフランス式庭園「リュクサンブール公園」です。元々は、イタリア・トスカーナの大富豪メディチ家からアンリ4世に嫁いだマリー ド メディシスのため、故郷のトスカーナを思い起こさせるような宮殿と庭園が造られたもの。その庭園が、公園として一般公開され、宮殿は、フランス上院(元老院)の施設として使用されています。庭園での日光浴や、家族、友人との時間を過ごすパリ市民の憩いの場として親しまれている公園です。

週末の午後とあってお散歩を楽しむ人でにぎわいます

週末の午後とあってお散歩を楽しむ人でにぎわいます

公園内のカフェ(テラス席が気持ちよさそう)

公園内のカフェ(テラス席が気持ちよさそう)

100年以上前からパリっ子に愛され続けるヨット遊び

100年以上前からパリっ子に愛され続けるヨット遊び

お気に入りの場所でくつろぐ人々

お気に入りの場所でくつろぐ人々

野外の読書スペース

野外の読書スペース

1852年創業の「ル ボン マルシェ」は、“世界初の百貨店”としてパリの象徴的なショッピング施設です。ファッション、ビューティ、ホーム、キッズの各分野で、ラグジュアリーブランド、若手デザイナー、限定商品など、最先端のセレクションを提供しています。

また、別館の「ラ グラン エピスリー ド パリ」には、2,900㎡のスペースに30,000点の、食に特化した商品を取り揃えており、食材の圧倒的な品ぞろえはもちろん、店内で調理するパンやスイーツ、惣菜などのオリジナル製品がたくさんあります。ル ボン マルシェでしか手に入らない、ちょっと良いお土産を探したい場合にとてもおすすめですよ!

ル ボン マルシェと奇跡のメダイユ教会へは、地下鉄「セーブル バビロン駅」が便利です。

モンパルナス駅から徒歩5分ほどのところにある、地下鉄エドガー キネ駅周辺のモンパルナス通りは、通称「ガレット通り」と言われ、200mほどの通りの両側に12軒ものクレープリー(ガレットとクレープをメインとするカフェレストラン)が集まっています。そもそもガレットとは、そば粉を使用したクレープ料理で、フランス北西部ブルターニュ地方の郷土料理ですが、そのブルターニュ方面への列車の発着駅がモンパルナス駅であることから、モンパルナス周辺には、クレープリーが多く集まっています。

日本では、クレープというとフルーツや甘いホイップクリームがたっぷりと盛られたスイーツですが、ガレットは、チーズやハム、卵という基本型から、さまざまな食材やソースをトッピングしたもので、イメージとしては、ピザと同じような位置づけの食事です。本場のガレットを味わうなら、モンパルナス地区へ足を運んでみてください! そして、ガレットとともに“シードル(リンゴ酒)”もお忘れなく。

以下の地図で見ると下の方にエドガー キネ駅(Edgar Quinet)があり、その前にのびる(クレープなどの表記がある)通りが「ガレット通り」です。上の方にはモンパルナス駅(Montparnasse - Bienvenüe)があります。

ガレットといえば、フランスならではのお土産として生地を買うこともおすすめです! ル ボン マルシェやギャラリー ラファイエットなどの、デパートのグルメコーナーで購入できます(賞味期限はあまり長くないのでご注意を)。お家でも、具材をのせるだけで簡単に作れちゃいますよ♪ 焼くときには、バターを使うのがポイントです。

ル ボン マルシェで購入したガレットを…

ル ボン マルシェで購入したガレットを…

お家で作ってみました(王道のハムと卵とチーズ)!

お家で作ってみました(王道のハムと卵とチーズ)!

角 千春

トラベルコンサルタント 角 千春

パリの左岸には、右岸ほどには変容しないパリの人々の暮らし方や、心地よい時間の流れが残っています。華やかににぎわう右岸も素敵ですが、長期の滞在や、リピート滞在なら、左岸の雰囲気の方が過ごしやすいと思いますよ。また、今後のレポートでも、左岸エリアのオルセー美術館やおすすめのプチホテルの様子を紹介していますので、合わせてご覧ください。

フランス、パリへの旅行にご興味のある方は、お気軽にティースタイルまでお問い合わせください。


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■関連ページ:

※左岸エリアのオルセー美術館やプチホテルの様子を紹介したレポートも公開しています。最下部のリンクより合わせてご覧ください。

【視察レポート】パリの左岸エリア・オルセー美術館での過ごし方(フランス・パリ/2024年3月視察③) 【ホテルレポート】ホテル サン ポール リヴ ゴーシュ<パリ左岸エリアのプチホテル>(フランス・パリ/2024年3月視察④)