Berner Oberland REPORTベルナーオーバーラント 視察ブログ
【視察レポート】ヨーロッパ最高地点ユングフラウヨッホ&新アクセス「アイガー エクスプレス」乗車体験(スイス/2023年9月視察②)
こんにちは。トラベルコンサルタントの角です。2023年9月、スイス政府観光局主催の視察でスイスのユングフラウ地方へ行ってまいりました。こちらでは、世界遺産 ユングフラウヨッホへの新アクセス「アイガー エクスプレス」を体験してきました!
スイスアルプスの中で最もポピュラーな観光地といえば、ユングフラウ地方。世界遺産にも認定されている有名なアイガー、メンヒ、ユングフラウの3名山の麓に広がるエリアで、アルプス観光のハイライトです。なかでも、ヨーロッパ最高地点の鉄道駅、ユングフラウヨッホ駅(標高3,454m)に直結した、展望台やアトラクションのある複合施設「トップ オブ ヨーロッパ」には、世界中から多くの観光客が訪れます。
今回は往路は鉄道で、復路はアイガー エクスプレスを利用するスケジュールで、ユングフラウヨッホ観光を視察しましたので、その様子をご紹介します。
◆鉄道にてグリンデルワルトからユングフラウヨッホへ
*ヴェンゲルンアルプ鉄道
≪グリンデルワルト(標高1,034m)からクライネ シャイデック(標高2,061m)までの所要時間:32分≫
グリンデルワルト駅から「ヴェンゲルンアルプ鉄道(Wengernalp Railway/WAB)」に乗車し、乗り換え地点のクライネ シャイデック(Kleine Scheidegg)へ向かいます。グリンデルワルト駅を出発して間もなくすると、かわいらしいグリンデルワルトの集落が車窓に広がります。
*ユングフラウ鉄道
≪クライネ シャイデック(標高2,061m)からユングフラウヨッホ(標高3,454m) 所要時間:35分≫
乗り換え地点のクライネ シャイデック駅に到着! 赤い車両の「ユングフラウ鉄道(Jungfrau Railway/JB)」へ一斉に乗り換えます。車両越しに見えるのは、アイガー北壁(Eigerwand)です。ここまで来ると迫力もぐっと増してきます! 標高が上がった分だけ気温が下がりますので、ユングフラウヨッホ観光は、夏場でも冬用の防寒対策がマストですよ!
途中、アイガー北壁の中に作られたアイスメール駅(Eismeer)で一時停車。アイスメール駅にあるトンネル内の山肌をくり抜いた窓からは、アレッチ氷河(Aletsch Glacier)を眼下に見ることができます。
◆ユングフラウヨッホに到着&複合施設「トップ オブ ヨーロッパ」
*トップ オブ ヨーロッパ
ユングフラウヨッホ駅に到着しました。その駅に直結した「トップ オブ ヨーロッパ」は、標高3,571mから目の前に広がるアレッチ氷河の眺望を楽しむことができる「スフィンクス展望台(Sphinx Observatory)」や、氷河の中につくられた氷の宮殿「アイスパレス(Ice Palace)」、雪原と呼ばれ1年を通して万年雪が楽しめるスノーパラダイス「プラトー展望台(Plateau)」、ユングフラウ鉄道開通までの歴史を展示する「アルパイン センセーション(Alpine Sensation)」など、さまざまなアトラクションやカフェテリア、ギフトショップなどがある複合施設です。すべての見どころをまわるには、2時間前後の時間を取るのがおすすめです。
■スフィンクス展望台&プラトー展望台
まずは展望台から。スフィンクス展望台からは、晴れていれば目の前に広大なアレッチ氷河が望めますが、以下写真の通り、この日はあいにく視界はゼロでした(> <)。スノーパラダイスの「プラトー展望台」では、9月中旬でも雪が降っていました!
■アイスパレス
アイスパレスは、氷河の中に造られた神秘的な空間です。足元はアイスリンクなみにツルツルなので、気を付けて歩きましょう~。
■アルパイン センセーション
こちらはアルパイン センセーションです。
◆いよいよ「アイガー エクスプレス」を初体験!
2020年12月5日に、ユングフラウ鉄道の開通から約120年ぶりとなる新アクセス「アイガー エクスプレス」が誕生しました! ともに新しく誕生したグリンデルワルト ターミナル駅からアイガーグレッチャー駅までを、わずか15分で結ぶ最新の3Sロープウェイ(※)です。
復路は、まずはユングフラウヨッホ駅からアイガーグレッチャー駅までの区間をユングフラウ鉄道に乗車。アイガーグレッチャー駅からは、いよいよアイガー エクスプレスに乗車します。
(※)3Sロープウェイとは3本のロープで構成され、2本の固定式ロープで懸垂、残り1本の循環式ロープで牽引を行うロープウェイのことです。
*アイガー エクスプレス
≪アイガーグレッチャー(標高2,328m)からグリンデルワルト ターミナル(標高943m) 所要時間:15分≫
アイガーグレッチャー駅で下車すると、すぐにアイガー エクスプレスのゴンドラのマークが目に入るので、迷わずに乗り換えがOKです! 全26席、44のゴンドラ(キャビン)で、毎時最大2,200人が利用可能だそうです。
以前は鉄道でアイガーグレッチャー駅からだと、クライネ シャイデック駅で乗り換えてグリンデルワルト駅まで45分程度かかっていましたが、アイガー エクスプレスを利用する場合は乗車時間が15分程度になり、大幅に移動時間が短縮されることになりました。
右手にドーンとそびえ立つ、アイガーを見上げつつ降下して行きます。途中、グリンデルワルトの絶景に、思わずみんなが「おぉおおお!」と雄たけびを上げます(笑)。あっという間の15分。グリンデルワルト ターミナル駅に到着します。
*グリンデルワルト ターミナルに到着
グリンデルワルト ターミナル駅は、グリンデルワルト駅からインターラーケン寄りの1駅下にできた新しい駅です。インターラーケン方面からの登山鉄道や、アイガー エクスプレス、メンリッヒェンへのゴンドラのアクセス拠点となる新しい駅です。ちなみに、もともとのグリンデルワルト駅と降り間違いなどないように気を付けましょう!
ターミナルビルは、地下2階から地上3階までの6フロアからなる巨大な施設です。スキー客に便利な24時間ロッカー、シャワールームなどが充実しているほか、カフェやダイニング、ギフトショップや薬局などが備わっています。また、最上階の3階には、アイガー エクスプレスVIP会員専用のラウンジも設けられています。
◆ユングフラウヨッホ観光 ワンポイントアドバイス
■往路を列車利用する場合、進行方向右側の座席がおすすめ
往路を列車利用する場合、車窓からの眺めは進行方向右側の座席がおすすめです! 特に乗換駅のクライネ シャイデックを出発後、トンネルに入るまでの約10分くらいは、右手に迫るアレッチ氷河をご覧いただけますよ(天候によります)。
■防寒は、標高が上がるにつれて1枚づつ重ね着をしていくイメージで
ユングフラウヨッホは、真夏(7、8月)であっても屋外の気温は平均3度程度。お天気によっては氷点下になる場合もあります。山麓のインターラーケンやグリンデルワルトでは半袖で過ごせても、山頂は真冬のスキー場だと考えて、防寒の準備が必要です。標高が上がるにつれて1枚づつ重ね着をしていくイメージで準備していきましょう。また、氷の宮殿や雪原は足元が滑りますので、履物の注意もお忘れなく。手袋やニット帽、使い捨てカイロもあると安心です。
■高山病対策として歩行はゆっくり、スケジュールは余裕を持って
乗換駅のクライネ シャイデックを過ぎると、空気の薄さを感じると思います。途中駅のアイスメールや山頂のユングフラウヨッホでは、高山病対策としてゆっくりと歩くようにしましょう。キャンディーやチョコレートなどで糖分を補給するのもおすすめです。万が一、気分が悪くなった時は、我慢せずに近くのスタッフに声をかけてくださいね(高山病の場合は高度を下げれば元気になりますからあまり心配しなくても大丈夫です)。
また、ユングフラウヨッホのトップ オブ ヨーロッパは、見どころやアクティビティが盛りだくさんです。各スポット間の移動は意外に距離がありますし、こちらでも歩行はゆっくりがマストですから、山頂での滞在時間は最低でも1.5時間(山頂の天気が良ければ2時間)を考えてスケジュールを立てることをおすすめします。
トラベルコンサルタント 角 千春
コロナ渦の2020年に粛々とオープンした新型ロープウェイ、アイガー エクスプレスと、ユングフラウヨッホ観光はいかがでしたか? 往復ともにユングフラウ鉄道を利用するルートより時間が短縮されるだけではなく、異なる景色を堪能できるのも大きな魅力です! ただし、所要時間が短い分、上りでアイガー エクスプレスを利用する場合は高山病になりやすいかもしれませんので、心配な方は往路はゆっくりとユングフラウ鉄道で高度に慣らしていき、復路でアイガー エクスプレスを利用されることをおすすめします。
スイス旅行にご興味のある方は、ぜひティースタイルまでお気軽にお問い合わせくださいませ。
トラベルコンサルタント 角 千春のご紹介