【ホテルレポート】エル フェン(モロッコ・マラケシュ/2017年1月視察④)

モロッコにはホテルとは別に「リヤド Riad」と呼ばれる宿泊施設があります。
リヤドとは、もともと緑の木々のある「庭」を意味することば。やがて中庭のある邸宅を指すようになり、現在はリノベーションして外国人向けの宿として生まれ変わったところをそう呼んでいます。
リヤドより小規模な「ダール Dar」を含め、マラケシュにはスタンダードからラグジュアリーなもの、さらには違法なものも入れると、その数500以上といわれています。多くは迷路のような旧市街・メディナの中に点在しており、辿りつくにもひと苦労ですが、モロッコらしい滞在が体験できると人気です。

たくさんある中からWEB編集長の山本が、短時間ではありますが、視察した4つのリヤドを順次ご紹介します。

最初にご紹介するのは、「エル フェン El Fenn」です。

緑の木々に囲まれたエル フェンのパティオ(中庭)。気持ちのよい空間が広がります

緑の木々に囲まれたエル フェンのパティオ(中庭)。気持ちのよい空間が広がります

ジャマ・エル・フナ広場やクトゥビアモスクから徒歩5分という便利なロケーションにあるエル フェン。とはいえ、メディナの中にひっそりと建ち、目立った看板もありません。隠れ家的な佇まいもリヤドの魅力でしょうか。建物の前まで車が入れないので、メディナ西側クスール門(Bab El Ksour)から歩くことになります(約1分)。

シックな門構え。メディナの通りにひっそりと佇みます

シックな門構え。メディナの通りにひっそりと佇みます

門の脇には、シンプルに「El Fenn」のプレートが付いていますが、なかなか気づけませんよね

門の脇には、シンプルに「El Fenn」のプレートが付いていますが、なかなか気づけませんよね

門からひとたび中に入ると、朱色の壁にランプシェードの影が艶やかに反射した空間がお出迎え!

門からひとたび中に入ると、朱色の壁にランプシェードの影が艶やかに反射した空間がお出迎え!

中庭があるのがリヤドの特徴です。木々の葉っぱを風が揺らす吹き抜けの空間は、オアシスのようです。

黄色いソファが印象的なパティオ

黄色いソファが印象的なパティオ

お庭ではカメさんもお散歩中

お庭ではカメさんもお散歩中

2004年に6室でオープンしたエル フェン。
現在は、3つの邸宅をひとつにリノベーションし、客室とスイートを合わせ計28室。35㎡のスモールルームから、5ルームアネックスプライベートハウスまで多彩なタイプを揃え、すべての客室の間取りやデザイン、インテリアがそれぞれ異なります。
名前のFenn(フェン)が「Art(アート)」を意味するように、このリヤドの最大の特徴は、どこを切り取っても美しいフォトジェニックな空間でしょう。
というのも、エル フェンはヴァージン・グループ会長の妹でもあるヴァネッサ・ブランソンさんが長い歳月をかけて作り上げたもの。モロカンスタイルのテラコッタの客室には、モロッコの伝統工芸品や、現代アートがバランスよく取り入れられ、ここにしかない空間を提供しています。
客室には無料Wi-Fi、エアコンなどを完備。逆にテレビは置かれていません。

ベッドルーム

ベッドルーム

バスルーム

バスルーム

窓辺のシッティングスペース

窓辺のシッティングスペース

猫足のバスタブ

猫足のバスタブ

別のタイプのベッドルーム

別のタイプのベッドルーム

ドレッサー

ドレッサー

スパやプールもあります。

1階にあるレストランとバー。ブティックも併設しています。ここもアーティスティックな空間が広がっていて、ニューヨークやロンドンのような都会のカフェにいるような気分に陥ります。
ブティックに置かれた品物も、洋服やリネン、ジュエリー、陶器などいろいろ。モロッコらしいテイストのものと新しいデザインがミックスしたオリジナルものばかり。マラケシュのスーク(市場)とはひと味違ったものが揃っています。

最後にご紹介するのはルーフテラス。ブランジプールやレストランがあり、メディナの街並みを一望しながら、お茶や食事などが楽しめます。

公式HPはこちら

数あるリヤドの中でも有数のラグジュアリーなリヤド・エル フェンはいかがでしたか?
喧騒に包まれたメディナの中にありながら、一歩建物の中に入ると外とはまったく異なる空間が広がります。モロッコならではの建物や伝統工芸と、外国人オーナーの洗練されたインテリアセンスがミックスした美しい空間で、マラケシュらしい滞在をお楽しみいただけます。

今回同時に視察した他の3つのリヤドのレポートはこちらから

ラ スルタナ マラケシュ レ ジャルダン デ ラ メディナ アンサナ リヤド コレクション モロッコ