タンネリ[革なめし職人地区] Tanneries(モロッコ・フェズ)

メディナ(旧市街)の一角がまるでパレットのように染め上げられたなめし革職人の作業場「タンネリ Tanneries」。屋上からなめし革工場全体を見渡すことができ、伝統的な方法で作られる製造工程を見学できます。

モロッコといえば、革製品のお土産を思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか? モロッコのお土産品として人気の高いカラフルなスリッパのバブーシュも、タンネリで作られた革が使用されています。バブーシュの他にも、バッグ、ベルトなどの革製品はモロッコの名産品で、その革製品に使われている革を、動物の皮からなめし革までに加工する場所がこのタンネリです。フェズだけでなく、マラケシュにもタンネリと呼ばれる革なめし職人地区があります。

メディナの奥まで突き進んでいくと、革の独特なニオイが鼻をツンと刺激します。タンネリに近づくに連れてそのニオイはより強くなりますので、マスクやミントの葉を鼻にあててニオイ対策する観光客も多いです。工場近くの建物の屋上に見物料を払い上らせてもらうと、その景色に圧倒されます。工場には丸い染料の桶が所狭しと並び、何十色もの染料で分けられています。上から見ると、赤、青、黄、紫色などまるでパレットのようです。そして、その桶の横で革を運ぶ職人さんたちが働いています。お土産に人気の高い革製品ですが、こうしたたいへんな作業があってようやく作られるものだと実感できます。

この製法は中世からまったく変えられていないんだとか。伝統的な製法となめし革の貴重さをここでは感じることができます。

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※写真はイメージです。