イスラエルの世界遺産は、全9件(文化遺産9件)です。(2021年4月現在)
文化遺産
◆マサダ(Masada)/2001年登録
死海西岸に位置するマサダは、ユダヤ民族結束の象徴として知られる場所です。1世紀、ローマ帝国の圧政に耐えかねたユダヤ人が反乱を起こすも、エルサレムが陥落。その後、2年にわたってマサダに籠城し、抵抗を続けた後、ローマ軍の捕虜になることを拒んで約1,000人が集団自決を遂げました。
◆アッコ旧市街(Old City of Acre)/2001年登録
地中海沿岸に位置するアッコ(英語でアクレ)は、プトレマイオス朝エジプトやローマ帝国、イスラム教国などに支配されてきた歴史をもつ港湾都市。現在の旧市街の街並みは、オスマン帝国時代に築かれたもので、地下には12世紀の十字軍の遺構がほぼ完全な形で残されています。
◆テルアビブのホワイト・シティ-近代化運動(White City of Tel-Aviv – the Modern Movement)/2003年登録
イスラエル第2の都市テルアビブの中心地区ホワイト・シティは、20世紀前半にユダヤ難民が入植し、近代的な都市が築かれた場所。エステル劇場(現在はホテル)、パゴダ・ハウスなど、白を基調に、機能性を重視したモダニズム建築が密集しています。
◆聖書時代の遺丘群-メギッド、ハツォール、ベエル・シェバ(Biblical Tels - Megiddo, Hazor, Beer Sheba)/2005年登録
遺丘とは、同じ場所で集落が建設と崩壊を繰り返したため層となった丘状の遺跡のこと。イスラエル北部にあるメギドとハツォール、南部にあるベエル・シェバは遺丘のなかでも聖書にも登場する都市で、城塞や宮殿、水利施設などの遺跡が発見されています。
◆香料の道-ネゲヴ砂漠都市(Incense Route - Desert Cities in the Negev)/2005年登録
紀元前3~後2世紀にかけてアラビア半島と地中海を結び、乳香などの香料を運んだネゲヴ砂漠の交易路。ハルザ、マムシト、シヴタ、アヴダトという4つの砂漠都市を中心に、灌漑システムや要塞、隊商宿などが世界遺産に登録されています。
◆ハイファ及び西ガリラヤ地方のバハイ聖地群(Bahá’i Holy Places in Haifa the Western Galilee)/2008年登録
バハイ教は、イスラム教から派生したバーブ教を前身として19世紀に誕生しました。カルメル山の斜面を利用して整備された庭園に隣接するバーブ教の開祖バーブの霊廟など、ハイファや西ガリラヤ地方に点在する26の建造物などが世界遺産に登録されています。
◆人類の進化を示すカルメル山の遺跡:ナハル・メアロット/ワディ・エルムガーラ渓谷の洞窟群(Sites of Human Evolution at Mount Carmel: The Nahal Me’arot / Wadi el-Mughara Caves)/2012年登録
ハイファの南、カルメル山西側斜面の渓谷に位置するナハル・メアロット(アラビア語でワディ・エルムガーラ)には、旧石器時代の4つの洞窟遺跡が残っており、人類の進化を知る貴重な史料となっています。
◆ユダヤ低地にあるマレシャとベト・グヴリンの洞窟群 : 洞窟の大地の小宇宙(Caves of Maresha and Bet-Guvrin in the Judean Lowlands as a Microcosm of the Land of the Caves)/2014年登録
古代ユダ族の都市マレシャと、マレシャが滅びた後に建てられ、ローマ人が植民都市としたベト・グヴリンの遺跡。柔らかな石灰岩層を彫り築かれた無数の洞窟群は、埋葬、住宅、聖堂、劇場などに利用されていました。/photo by Talmoryair
◆ベート・シェアリムの墓地遺跡:ユダヤ再興を示すランドマーク(Necropolis of Bet She’arim: A Landmark of Jewish Renewal)/2015年登録
ハイファの南東に位置するユダヤ人墓地の遺跡。132年のローマに対するユダヤ人の反乱の鎮圧後にエルサレムの外に初めて築かれたもので、複数のカタコンベ(地下墓所)で構成されています。
イスラエル国内にある下記の物件は、イスラエルではなく、それぞれエルサレムとパレスチナ自治政府の世界遺産となっています。
◆エルサレム(ヨルダンによる申請遺産)
<文化遺産>
*エルサレムの旧市街とその城壁群(Old City of Jerusalem and its Walls)/1981年登録
◆パレスチナ自治政府
<文化遺産>
*イエス生誕の地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路(Birthplace of Jesus: Church of the Nativity and the Pilgrimage Route, Bethlehem)/2012年登録
*パレスチナ:オリーブとワインの地−エルサレム南部バティールの文化的景観(Palestine: Land of Olives and Vines – Cultural Landscape of Southern Jerusalem, Battir)/2014年登録
*ヘブロン/アル-ハリール旧市街(Hebron/Al-Khalil Old Town)/2017年登録
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2021.04.24.updated