Bourgogne REPORTブルゴーニュ地方 視察ブログ
【視察レポート】パリから日帰りにおすすめ! ワインと美食の町・ディジョン(フランス・ブルゴーニュ地方/2024年3月視察⑥)
皆さん、こんにちは。トラベルコンサルタントの角です。2024年3月、フランス国立観光開発機構による視察ツアーで、ブルゴーニュ地方を巡ってきました。ブルゴーニュというと、みなさんは何を連想しますか? お酒好きな方なら、真っ先に「ワイン」が浮かびますよね (*^^*)ブルゴーニュのワインは、“ワインの王様”と称され、フランスを代表するワインです。
また、ブルゴーニュワイン独特の「クリマ(※)」が2015年にユネスコ世界文化遺産に登録されるほど、特有の産地とされています。今回は、パリからのデイトリップでも、ワインカーヴ(ワインの貯蔵庫)で奥深いブルゴーニュワインのテイスティングをしたり、郷土料理とのマリアージュを満喫したりすることができる町「ディジョン(Dijion)」をご紹介します。
(※)クリマ(Climat)とは、ブドウ畑を細分化(それぞれの畑が名前を持ち、歴史があり、味わいが異なる)した区画の制度のことです。
ブルゴーニュワイン産地の玄関口「ディジョン」へのアクセスは、パリ市内のリヨン駅からフランスの新幹線TGVに乗れば、1時間45分ほどで到着します!
こちらがディジョン駅です。ディジョンは、中世末期にブルゴーニュ公国の首都として栄え、現代ではブルゴーニュ地方の州都です。
また、昔からワインの街として知られ、ブルゴーニュワインのグラン クリュ街道の起点となっている町です。そんなディジョンでのおすすめスポットは、大きく分けて2つあります。
◆おすすめスポットその1 美食とワインの国際博物館
ディジョンで、デイトリップでも食とブルゴーニュワインを楽しめるスポットとしておすすめしたいのが、2022年にオープンしたばかりの「美食とワインの国際博物館」です。
美食とワインの国際博物館は、2010年にユネスコの無形文化遺産に登録された「フランスの美食文化」をテーマとした新しい施設で、ディジョン駅から徒歩10~15分の場所にあります。13世紀からの市民病院だった広大な敷地(1,750㎡)を再利用して、美食をテーマにした施設や店舗、ワインカーヴが集まっています。
美食の村「ヴィラージュ ガストロノミック」というエリアには、ブルゴーニュ地方やフランスの美食を代表するお店が並び、食材や食料品はもちろん、キッチン用品やテーブルウェア、食をテーマとしたブックショップがあります。また、食材店には、飲食できるスペースも備わり、まるでマルシェ(市場)のような雰囲気が楽しいです。
*ブルゴーニュ地方のグルメ情報
ちなみにブルゴーニュ地方は、グルメ愛好家にも見逃せないエリアです。フランス最高級のブランド牛といわれる“シャロレー牛”をはじめ、ジューシーな鶏肉を使った料理や、川や湖で捕れる豊富な川魚料理も自慢です。今回のディジョン含むブルゴーニュ地方に訪れたらぜひ召し上がっていただきたい郷土料理を少しですが、ご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
■代表的なメニュー
【前菜】
・グージェール:チーズ風味のシュー(ディジョンの定番メニュー)
・エスカルゴ:食用カタツムリをニンニク、パセリ、バターなどで作るペーストを殻につめて、オーブン焼きに
・ウフ アン ムーレット:ブルゴーニュ赤ワインのソースに落とし卵をして煮るポーチドエッグの一種
(※)アペロタイムとは、夕食前に、お酒とおつまみでおしゃべりを楽しむフランスの食習慣のことです。
【主菜】
・ガストンジェラール:ディジョンマスタードの入ったクリームソースとたっぷりのチーズで鶏肉とジャガイモをオーブン焼きに
・コック オ ヴァン:鶏肉をたっぷりの赤ワインで煮た料理
・ブフ ブルギニヨン:牛肉の塊をブルゴーニュ赤ワインで3~4時間煮込んだ家庭的な一品
・ブランド牛「シャロレー牛」の肉料理
・ポシューズ:カワカマス、ウナギ、コイなどの淡水魚をアリゴテ種の白ワインで煮込む、ブルゴーニュ風ブイヤベース
*施設内の目玉「ラ カーヴ ド ラ シテ」
美食とワインの国際博物館には、600㎡の大きさをもつワインカーヴ「ラ カーヴ ド ラ シテ(La Cave de la Cité)」があります。ここでは、ブルゴーニュワインはもちろん、フランスや世界中のワインが3,000種類以上も集められ、ワインを購入したり、常時200種類程度のワインをテイスティングすることができます。
いざ、テイスティング!
私はせっかくなので、高価なブルゴーニュワイン「シャンボール ミュジニー(Chambolle Musigny)」を選びました。グラス単位ではなかなか飲めない高級ワインでも試飲できるのは、さすが現地だからこそ! 地下のカーヴには、プルミエ クリュ(1級畑)やグラン クリュ(特級畑)といった高級ワインがずらり! 一部のワインは、テイスティングも可能です。
◆おすすめスポットその2 散策が楽しい旧市街
美食とワインの国際博物館を満喫した後は、デジョンの「旧市街」を散策しました。ディジョンの旧市街も、駅から徒歩15分くらいのところに位置しています。
旧市街には、木組みや石で建てられたカラフルな屋根をもつ邸宅が並び、中世末期にブルゴーニュ公国の首都として栄えた当時の面影が残っています。足元のフクロウマークをたどって、22か所の旧市街の秘密を発見するコース「フクロウの道」などもあり、のんびりと歩いても2~3時間あれば回れるくらいの、ほどよい大きさです。
14世紀末、ブルゴーニュ公がディジョンの城を豪華な宮殿に改築した「旧ブルゴーニュ公宮殿」は、現在は美術館となっています。宮殿前には、美しい広場のひとつ「リベラシオン広場」があります。「フィリップ善良公(フィリップ ル ボン)の塔」は、15世紀半ばに築かれた46mの塔で、上まで階段で上がると、街を一望することができます(事前予約が必要)。
ちなみに、ディジョンからはグラン クリュ街道に出発するワインツアーも多くあります。グラン クリュ街道は、ブドウの葉が黄金色に変わる秋の景色が、特にすばらしいとのことでした。
トラベルコンサルタント 角 千春
パリから日帰りでも行けてしまうブルゴーニュ地方の玄関口、ディジョン。上記でお伝えした通り、ディジョンからはグラン クリュ街道に出発するワインツアーもありますので、奥深いブルゴーニュワインを存分に味わいたい方には、1~2泊滞在することをおすすめいたします。
フランス、ブルゴーニュ地方への旅行にご興味のある方は、ぜひお気軽にティースタイルまでお問い合わせください。
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